甲州手彫印章の魅力


四千年の歴史を映す朱白の調和
 甲州手彫印章の文字として現代にまで受け継がれている書体には、小篆、印篆、古印体、楷書、行書、草書、隷書、印相(八方篆)体などがあります。これらは、長い歴史の中で選び抜かれてきた書体です。

小篆 奏の時代に考案された書体です。隷書が登場してからはもっぱら碑銘や印章に用いられるようになりました。
印篆 印章用として漢の時代に考案された書体です。角印の中に納めやすい形になっています。
古印体 日本の古い鋳造印の風合を再現した書体です。鋳造印独特の鋳だまりや、線の強弱を活かした書体です。
楷書 漢字を習う時の書体です。文字の上手下手が見えやすく、文字表現の難しい書体です。
行書 江戸時代の画家や文人に好まれた書体です。尾形光琳や酒井抱一などの印が有名です。
草書 流れるような筆致の書体です。筆書きの美しさを印章に表現するには高い技術が必要とされます。
隷書 奏の時代に作られたと伝えられる古い書体です。曲線的な小篆を直線的に簡単易化した文字です。
             
多彩な素材を美しい印章に
 甲州手彫印章の印材には、天然の素材が用いられています。動物素材としては、象牙・鯨牙・河馬などの牙材や黒水牛・オランダ水牛・シープホーンなどの角材があります。植物素材としてはツゲが良く知られていますが、黒檀・紫檀・白檀・オノオレカンバ・竹根なども印材として用いられています。また、甲州手彫印章のルーツである水晶をはじめとした、めのう・虎目石・ヒスイなどの貴石からも美しい印章が造り出されています。それぞれに独特の風合があり、味わい深い印材ばかりです。これらの素材に伝統の技法で加工を施し、甲州手彫印章が造り出されます。
印章を楽しむ
 印章には実用印の他に、雅印と呼ばれるものがあります。「風雅」なことに用いられる印章を総称して雅印といいます。印材そのものが美しく、見事な彫刻装飾が施されたものも少なくありません。印影の形も様々で、方形や円形はもとより、ひさご形など遊び心に富んだものもあります。古くから文人や画家などが所有し作品に捺印していました。書画に作者の「しるし」として押される雅印は落款印と呼ばれています。より身近な雅印としては、蔵書印や、好みの詞句や成語を刻した遊印などがあります。書簡印や封緘印などの雅印は、手紙に風雅な趣を与えてくれます。
 雅印は、見る喜び、触れる喜び、使う喜びで所有する人の心を豊かにしてくれます。
back
甲州手彫印章の魅力 トップページ ギャラリー
山梨県印章店協同組合