江戸からかみの魅力


紙上に広がる装飾の小宇宙

 《江戸からかみ》は、和紙に様々な装飾を施して作られる工芸品です。和紙の上に繰り広げられる自由闊達でのびやかなデザインは、見る者を時に銀河の果てに連れ出し、時に雨にけぶる秋草の庭へと誘います。



 うつろう季節を表現する草木の図案、縞や格子そして更紗など江戸好みの文様は、《江戸からかみ》の真骨頂。江戸の人々に愛され育てられた《江戸からかみ》の美しさは、今の時代にあっても新鮮さを失うことはありません。
 金銀の砂子、大小様々な金銀箔、文様をきらめかせる雲母(きら)の粉。多彩な加飾技法は《江戸からかみ》の大きな魅力です。熟練した職人の手の元で、和紙は《江戸からかみ》へと華麗な変身をとげます。
江戸が育てた伝統の技
 自由闊達なデザインや豊かな表現技法は、《江戸からかみ》の大きな魅力です。江戸の人々から受け継いだ〈粋〉なデザイン感覚は、いつの時代にも新鮮な作品を生み出し続けています。
 《江戸からかみ》の多彩な装飾技法は、大きく3つの仕事に分けられ、それぞれが専門の職人によって行われます。雲母を散らした木版摺りや、刷毛を使って縞模様などを描く《唐紙師》。金銀箔や砂子を用いて装飾を行う《砂子師》。渋型紙を使った「捺染手摺り」を行う《更紗師》。手仕事ならではの繊細で温か味のある表現は、卓越した職人の技から生れます。
《紋唐紙》から《京からかみ》そして《江戸からかみ》へ
 平安時代、中国から様々な文様に彩られた美しい紙がもたらされ、それらは「紋唐紙(もんからかみ)」と呼ばれました。紋唐紙を和紙で模したものが「からかみ」です。「からかみ」は、当初、和歌を筆写する詠草料紙として貴族の間で好まれましたが、中世以降には、屏風や襖、貼り付け壁、障子腰などにも用いられるようになり、日本人の生活空間の彩りに欠くことのできないものになりました。
 《江戸からかみ》は、木版手摺りを主流とする「京からかみ」の技法を基本としていながらも、江戸という都市に暮らす人々の好みに合わせた作品を制作していく過程で、《江戸からかみ》ならではの表現技法を発達させていきました。
 《江戸からかみ》の魅力である多彩な表現を可能にした様々な技法は、それぞれ専門化することで高められ、現代に受け継がれています。
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江戸からかみ協同組合