鉄瓶ができるまで 1. デザインから中子づくりまで
2. 鋳型の乾燥・焼成から鉉の製作
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 南部鉄瓶ができるまでには80以上の作業工程があり、デザインから製品の完成まで、2カ月近くかかることもあります。
 鉄瓶には本体を作る職人と、鉉(つる)を専門とする職人がおり、この2人の技が一つになってはじめて素晴しい作品ができ上がります。

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デザイン
デザイン
 まず鉄瓶の形を決めます。形や文様を古典的なものにするか、独創的なものにするかを決めます。独創的なものにする場合、口の広さや形、胴の張り、注ぎ口の形態、蓋の形、つまみの形などの形状のデザインや、模様や着色について考え、原寸で図面を描きます。

木型
木型
 図面から断面図を割り出し、鋳型を作るための「木型」を鉄板で作ります。この型は鉄板製ですが、以前は木を使っていたために木型と呼ばれています。木型は、鉄瓶本体の鋳型の上半分にあたる胴型と、下半分にあたる尻型、そして蓋の3つが必要です。これらの木型を回転させてそれぞれの鋳型を作ります。

 また多くの場合、鋳型の木型を作る時に、鋳型の中に詰める中子(なかご)を作るための中子用の木型も作ります。中子は鉄瓶の中の空洞を作るためのもので、中子用の木型は、外側を作る型よりも鉄瓶の厚み分だけ小さなものになります。


種物
種物
 「たねもの」とは、鉄瓶の注ぎ口、鉄瓶本体と弦を繋ぐ「鐶付き」、蓋のつまみのことで、本体や蓋の鋳型の別部材として鋳型が作られます。

鋳型づくり
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鋳型づくり
 川砂と粘土そして埴汁(はじる)と呼ばれる粘土の汁を混ぜ合わせ、実型(さねがた)という外枠に入れます。実型の中心に木型を据え、回転させて鋳型を作ります。この作業を「型挽き」といいます。

 川砂は形を作る工程に合わせ、3段階で目を細かくしていきます。最初は、荒めの砂を使っておよその形を作り、先に作っておいた種物の鋳型を所定の位置に埋め込み、本体と合体させます。次に、粘土と混ぜ合わせる砂をやや目の細かいものにして形を整えます。最後に絹でふるった非常に目の細かい砂を使って、流れ込む鉄に接する内側の面をきめ細かいものに作り上げます。


紋様押し、肌打ち
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紋様押し、肌打ち
 型挽きの終わった胴型が乾燥しないうちに、紋様押しの作業が行われます。南部鉄瓶の模様として有名な「あられ」模様は、ひとつひとつ型押し棒を使って手で押して作ります。幾何学的な模様の他に、花や風景などの絵をいろいろな道具を使って押し、浮き彫りのような仕上がりになるものもあります。

 南部鉄瓶の魅力のひとつである、肌あいを出す作業を「肌打ち」といいます。胴型に絹漉しの砂を振りかけたり、真砂や真土を埴汁で溶いたものを布タンポに付けて胴型に打ち付けたり、筆に付けて胴型の肌に置くなどして肌の調子を出します。


中子づくり
 先に作っておいた中子用の木型を使って、鋳型と同じ要領で中子取り型を作り、型焼きをします。川砂と砂を焼いて不純物を取り除いた焼砂、そして埴汁をまぜあわせ、中子砂を作ります。中子取り型をろくろに乗せ、型の内面に中子砂を押し付けて椀状にし、中子の胴型と尻型を作ります。できあがった胴型と尻型を埴汁で接着し、天日でよく乾かし、中子の水分を完全に取り除きます。

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