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| 1. 渡辺稔之氏(号:竹清) 日本の伝統と西洋のデザインの出会い |
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プロフィール 昭和7年、別府市生まれ。 昭和41年、2代目竹清を襲名。祖父は竹工芸師、大田龍々斎。 竹工芸師としてティファニーのバンブーバッグの制作に関わる一方、竹工芸作家として日本伝統工芸展、西部工芸展、別府市竹工芸新作展などで活躍。 |
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設計図はナシ、全ては頭の中に
別府竹細工には8つの基本的な編み方があり、「網代編み」はその中の一つです。みっしりと編み込まれた作品の表面はなめらかで、触れるとしなやかな弾力で指を押し返します。竹として自然の中にあった時の強さや柔らかさは、形を変えてなお、そこにあります。
非常に精緻な構造を持つ竹細工ですが、そこに設計図は存在しません。どんなに複雑な模様であっても、また、どんな形であろうと図案は作らないといいます。 |
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網代編みのバスケット
渡辺さんが、アメリカの高級宝飾店ティファニーと仕事をすることになったのは、この「網代編み」が縁でした。 デザインはペレッティさん、竹細工は渡辺さんという共同作業で、ジュエリーなどを入れる竹のミニバスケットが生まれました。このポーチに使われる組紐も伝統的な工芸品で、まさに日本の手仕事の集合体といえる作品です。竹のミニバスケットは、時代に合わせたマイナーチェンジを繰り返しながら20年以上たった今でも売れ続け、NYのハイソサエティの女性たちに愛されています。 |
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ものづくりの共通感覚は、文化の差を超えて
初めての外国人デザイナーとの仕事に、難しさは感じなかったのでしょうか、という問いに答えて渡辺さんは、「二人ともこの作品は店頭に並んだものが完成品なのではなく、買った人が使い込んでいくことによって仕上がっていくものだという考えでした」。手触りを大事にするというところも同じでしたし、難しいことはなかったと続けます。
そんな二人の共通の思いから、ミニバスケットの仕上げに漆をかけないというアイデアが生まれました。竹という素材を手で直接感じてもらい、煤竹(すすたけ)の独特の色合いを楽しんでもらいたい、というのが二人の狙いでした。残念ながらこの試みは、ショウケースに収まった時に華がないということで、初回バージョン限りになってしまったそうですが。 |
渡辺さんが20年来作品に使用して追及している素材は煤竹(すすたけ)です。この素材は竹林からではなく、最近めっきり数が減ってきた百年以上経った民家から得られるものです。民家の梁や天井などに使われている竹は、長年囲炉裏の煙などに燻されたことによって、他の手段では得られないような美しい褐色となり、煤竹と呼ばれます。
しかしこの煤竹、他の竹素材よりも脆いため、素材の選別には細心の注意を払い、細工には補強や二枚重ねなどの工夫が必要です。そうした並み以上の努力から生まれてくる作品は、年月を超えた独特の美しさを湛えています。 |
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